去る8月、都内某所にて高知大道芸フェス出演者3組によるスペシャル座談会を行いました。
集まってくださったのは、三雲いおりさん、加納真実さん、シルヴプレのおふたりの計4名。
他県の大道芸イベントのお話から、高知の印象、そして今年の高知大道芸フェスにかける意気込みまで、たっぷり語っていただきました!
三雲/パターンがあるんですよ。一企業さんや施設さんが販促費用をかけてやるフェスと、町や商店街の人たちがやるお祭り的なものと。この2つのパターンが多いですね。例えば「だい・どん・でん!」(だい・どん・でん!さっぽろパフォーマンスカーニバル/札幌市)などは市民祭り。商店街の人たちがやるのは、フェスというよりは…
柴崎/町の文化祭。
三雲/そう。町の文化祭の中に芸人がお邪魔させてもらって、フェスと言うのはちょっと違う。もっと間口が広い感じでしたね。
柴崎/街の大通りを封鎖して、いろんなサークルであったり、フラダンスだったりの中の一部に、芸人さんがいる感じ。
堀江/町おこし的な場合が多いですね。
加納/うん。町おこし多いね。だから土地の人がその気になんないと、なかなか続かないよね。何か町の人にもいいことがあれば、きっと…
三雲/うん。長く続く。
柴崎/大須(大須大道町人祭)と野毛(野毛大道芸/横浜市)って、ラクダカン(大駱駝艦)が出てたりとか、かと思えば、お客さん参加型の「みんなでやろうへぼ将棋」とか、「みんなでやろうへぼ囲碁」みたいなのもあったりとか。
堀江/大須だったら消防団の人たちがね、木遣りやったりとか、花魁があったりとか。
柴崎/野毛はほんとに小さいスペースで人形作ったりとか。万年筆作る人もいましたよね。
堀江/飴細工とか。
三雲/大須はお祭りだね。「おいらん道中」があったり。「おいらん道中」がメインでもあるので、ポイントが狭い場所の時は、ショーを中断せざるを得ない時があった。
10分ぐらいパフォーマンスして、これからっていう時においらんが通って、私のポイントなのに中断。仕方ないからそこに椅子出して休むんですよ。「えっ、あっ、えー」とか「ちょっと休憩でーす」って言って。お客さんとかも「どうするんですか、三雲さん」って。「休んでるからできないし」って言って。おいらんが行ったら「じゃあ、再開します」って、「前半のダイジェストをご覧ください」ってことで3分ぐらいちょこっとやって、それで続きをやるっていう感じ。
でもそれでも全然面白かったですね。すごい狭かったしあれだけど。なんかそういうのが。メインがあって、なんかそのすみ分けっていうか、その雑多な感じがいいですね。
加納/高円寺やら厚木やらは、実行委員とかボランティアに応募した人たちとかが、フェスを飾るものをみんなで…
柴崎・堀江/あー。
加納/年に何回か集まって、アイデアを出し合ったり。ちょっと町の文化祭みたいな。お客さんからしたら、そういうのに参加するのも楽しい、みたいなのもあるんじゃないかな。
柴崎/高知はお祭り的な雰囲気がすごく漂う。
三雲/気質もあると思うな。
堀江/みんな見慣れないものを遠巻きに見る…とか、そういうことがないのがすごいなと思って。
加納/なんか新しい物好きって聞きました、高知。
三雲/まあ、楽しい、面白いなって思ってくれて、それ以降に町の人たちにとって何かいいことがあればね。
加納/なんか好きになればね。
三雲/そうそうそうそう。好きにならないとやっぱり。
加納/そうなんだよな。でも、果物屋(フルーツの大橋屋)さんとかねえ、すごく。
柴崎/果物屋さんはものすごく協力的でしたね。
加納/みんな最後にフルーツジュースをもらいました。
三雲/多分そういう草の根が必要だよね。商店街の皆さんが、「大道芸おもしろいよ」て言ってくれて、ちょっとずつ広がっていけばいいと思う。
加納/やっぱり、やってる(パフォーマンスポイント)辺りの人が、楽しいなって思ってくれるとね。
三雲/この間、関東の知り合いが、今の流れの中では高知がすごいって言っていました。お客さんもいろいろ見てる…。お客さんが行きたくなるモードを出すって。
加納/高知はおいしいものもいっぱいありそう。
三雲/うん。それは絶対プラスアルファでないとダメなんですよ。
加納/高知はね、楽しそう。高知に行ってみたい人も結構いっぱい…ねえ。
堀江/去年(の高知大道芸フェス)はちょうど嵐とぶつかって。だから高知に向かっていたのに諦めた人たちが。
加納/そうだよね。諦めた人もいました。
堀江/高速道路も電車も止まったり。だから余計に今年は!って思っている人も…。
加納/うん。うん。
三雲/やっぱり何かがないと、なかなか高知って…遠くて行きにくいよね。実際、私は去年初めて高知に行ったの。ねえ。聞いてはいるけど、それまで行ったことがなくて、仕事あれば行くのにな~ぐらいにしか思ってなかった。
でも、今年愛媛にも行ったんだけど、去年高知で見てくれたっていう人が、高知から家族で来てくれました。「去年この子がお世話になったんですー」「おお、そうかそうか」って。あとはジャグリングやっている高知の学生の子が、彼女と観に来てくれたり。そういうつながりがうれしいよね。
柴崎/本当に、初年度の衝撃といったらなかったですよ。「何これ?もうお客さんが座ってる!」っていう。我々シルヴプレが初年度に出るというのは、相当リスクが高かったと思うんですよ。結構シュールなことをやるんで。でも、それを高知の人は受け入れてくれたんですよね。
堀江/やればやるほどに、待ってる人が増えていく感じが。
柴崎/晴れの第1回目のワーッという時も。2回目の去年、雨でもちゃんと屋根があるところでしたけど、足元の悪い中観に来てくれて。
加納/第1回目の人(出演者)たちが良かったんじゃないかなと思う。だから、去年も来て、また来たみたいな。
三雲/そうそう。去年…、ねえ。去年の時点ではそうじゃないかな。前回観た人たちが来てるって。
柴崎/やっぱり、どのフェスティバルに行ってもうれしいのは、おじいちゃん、おばあちゃんがわざわざ足を運んで観に来てくれるっていうところ。「ああ、また今年も来てくれたんだな」っていうのは。
堀江/そしてお客さんの目がすごい。あの、なんというか…
柴崎/ワクワクしてる。
堀江/そう、ワクワクしてる。
三雲/元気な人が多い。ははは。
柴崎/肌に艶がある。
三雲/ははは。脂ののりがいい。
加納/前途洋々。ははは。
堀江/とにかくご飯が美味しい。
柴崎/やりやすいです。
加納/全然やりやすかったです。
堀江/やりやすい、やらせていただいています。
加納/うん。初めて行ったのに、なんかそんなに警戒心なく。
堀江/私たちも初めての年にそう思いました。
三雲/ちょっと私は、怖じ気づいた感じのまんま終わったんだよな。
加納/ははは。
堀江/ははは。今年はリベンジします。
加納/だからなんか、もっと抜いていこうみたいな。
三雲/そうそう。それがわかってるだけに、なんかこうきちっと感というか。なんかねえ、そこにちゃんと乗っからなければっていうのがちょっと。最初だったら分かんないからさ。こうねえ。その探りが面白いことにするんだけど、なんか、ちょっとそれはあったかな。だからなんだっけな、イルカ(大丸本館北の前の鯨のオブジェ)のいるところの最初(オープニングセレモニー)にあんなにいっぱいお客さんがいると、「えっ、すげーちゃんとしなきゃいけないじゃん!もうちょっと少なくていいのに」って逆に思っちゃうんだよ(笑)。
加納/ははは。
柴崎/ははは。
加納/スタッフさんもいい感じで。一生懸命やってくれる。ひろめ市場の入口で、雨水が滝のように地面を流れているのを、スタッフさんが一生懸命掻いてくれたのが感動的だった。
柴崎/さらにマニアックな個のある演目がちょっとずつ増えていくのも面白いのかなと思います。そうするとこう、マイムにしてもしゃべりにしても、もっと考えてみてよっていうお客さんを育てていった方が、っていうのはあります。
加納/希望だね。ふふふ(笑)。なんかこう、盛り上がる系の大道芸ばっかりを観ちゃうと、確かに地味な我々は盛り下がってる感になっちゃう。
堀江/盛り下がってる感って。
加納/盛り上がり重視みたいになってくると、ちょっと困っちゃうっていうか。ふふふ(笑)。
三雲/私なんかは去年が最初だったから、いいふうな人を演じながらやり過ぎてる感は無きにしもあらずだね。なんかこう、やる方からすると「もっと遊べるかな」みたいな感じ。いきなり変なことはできにくいけど、もうちょっと遊んでも、お客さんが付いてきてくれるかなと思ったりして。だから今年は、ちょっと外しながらやってみて、どうなるのかが楽しみだなと思ってる。
加納/初めからいろんな大道芸を観ると、お客さんもいろいろ育っていくというか。ねえ。いろいろあると。
三雲/そうそう。いろいろある。「これもあるのか」「あっ、そうか」とか。で、この人には合わなかったけど、もう1回観てみようかっていうふうになるのが絶対にいいじゃない。
加納/いろいろを許してくれるお客さんで。
三雲/「あー大道芸ね。はいはい、知ってる知ってる」って流されるよりは、やっぱり「エーッ!何これ!」ってなってくれる人が増えた方がありがたいですね。
堀江/今年はセクシー(セクシーDAVINCI)さんが初めて。
加納/楽しみだ。
堀江/ははは。
堀江/高知はアーケードがあるから雨でもできちゃう。だから今年、お天気もあると思うんですが、たくさんの方がいらっしゃってくださったらうれしいです。